家電・モバイル ボリュームゾーンの最新動向を知る
 
中島 募=日経エレクトロニクス
2013/07/18 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2012年5月28日号 、pp.65-66 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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図7 WHDIに対応する中国Lenovo社のタブレット端末「IdeaPad S2 7」
2012年のCESで発表。米Amimon社のチップセットを搭載したWHDI対応モジュールを内蔵している。
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 ただし非圧縮タイプの方式をスマートフォンに搭載するには、専用のベースバンドLSIやRF送信ICを組み込む必要があり、現状では実装面積の増加や消費電力の増大、コストなどの課題を抱えている。WirelessHDのSilicon Image社とWHDIのAmimon社はともに、半導体のプロセスルールの微細化やアンテナ数を減らすなどの改良に取り組んでいる。シリコンイメージジャパン 代表取締役社長の竹原茂昭氏は「最新のWirelessHD対応チップセットはベースバンドLSIが13mm角、RFのICが12mm角。ピーク時の消費電力が2W前後だ。スマートフォンに搭載するには、チップサイズを10mm角以下、消費電力も1W以下に抑える必要がある」と分析する。なおタブレット端末向けでは、WHDIが先行しておりLenovo社の製品に採用済みだが、「スマートフォン搭載向けはもう少し時間がかかる」(Yoav氏)という(図7)。スマートフォン搭載向けの製品が登場するのはWHDIが2013年、WirelessHDは2014年ごろになる見通しだ。

 WiGigは最後発ではあるものの、非圧縮タイプの有力な候補として無視できない存在である。60GHz帯の物理層とIEEE802.11を拡張したMAC層の上に、HDMIやDisplay Portなどの信号を扱うための拡張仕様を規定している(図8)。MAC層でIEEE802.11規格との後方互換を確保しているのは、通常時は無線LANを使いつつ、映像などを伝送する時だけ60GHz帯を使うといった用途を想定しているためである。WiGig AllianceはWi-Fi Allianceと協力して認証プログラムの策定などを進めており、WiGigは将来的に無線LANと統合する可能性もある。

図8 WiGigのアーキテクチャの概要
IP以外に、HDMIやDisplay Portなどの信号も60GHz帯のミリ波で送受信する機能を備える。
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特定用途向けにはUSBを無線化する技術も

 HD映像を無線で伝送する手段としては、USB信号を無線LANで送る技術を使う方法もある。例えば、アイ・オー・データ機器が2012年4月に発売した無線LANルータ「Wi-Fi TV」は、地上デジタル放送のテレビ映像をiPhone/Padなどで視聴できる機能を持つ。iPhone/Padなどの受信機にインストールするWi-Fi TV専用アプリは、ソフトウエアで実装した仮想的なUSBホスト機能を備え、ルータ側にあるUSB接続の地上デジタル放送用チューナー(以下、チューナー)が無線LAN経由でつながっている。ルータ側のチューナーで受信したテレビ映像をH.264で圧縮した後、チューナーのUSB信号をEthernetに変換し、無線LANの電波に乗せて受信機のアプリに送る。「USB接続のプリンタをLANで共有するプリントサーバーの技術を応用した」(アイ・オー・データ機器)。

 一方、サイレックス・テクノロジーは、パソコンの画面を無線LANでディスプレイに表示するアダプタを製品化している。アダプタをディスプレイにDVIで接続して使う。USBディスプレイの技術を応用したもので、パソコンとUSBディスプレイが無線LAN経由でつながっている形となる。ナナオはこのアダプタを内蔵したディスプレイを試作、2012年内にも製品化する予定だ。「パソコンとディスプレイの間でUSBの双方向通信が可能なことが採用の決め手となった。映像だけを送る他の方式とは違い、タッチ・パネルにも対応できる」(ナナオ)という。

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