ユーザーの企画に沿ったUGD(user generated device)を実現できる環境が整えば,メーカーの企画担当者や技術者などの想像を超えたアイデアを打ち出すユーザーは爆発的に増えるだろう。インフラが整えばそこに多くの人が集い,人が集えば新たな知が生まれるからである。

 エレクトロニクス業界ではまだ始まっていないが,他業界では既に,メーカーに属する“プロ”を凌駕するユーザーの発想を企画に生かす取り組みがある。これらの取り組みから,来るべきUGD時代に備えてエレクトロニクス業界が吸収すべき点も多い。

 そこで以下では,エレクトロニクス業界の参考になるであろう他業界の事例を紹介する(図1)。アイデアを活性化したり吸収したりする手法を大別すると,①目利きのできる外部の専門家を活用する,②専門家が仲介者としてユーザーの企画を昇華させる,③ユーザー同士の発想を活性化させる場をつくる,に分かれる。

図1 ユーザーの要望を企画に反映する各種の仕組み
メーカーに所属する技術者などの発想を超えたユーザーの企画を商品に反映するため,他業界ではさまざまな取り組みがある。将来のUGD時代に向けて,エレクトロニクス業界の参考になる点も多い。
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