スマホだけには限らない

 「スマートフォンは最初の応用先でしかない。他の端末にも使える」。Mozilla FoundationとTizen Projectは、それぞれのOSがスマートフォンだけには限らないと口をそろえる。

 「単純なソフトウエア構造が組み込み機器に適していると考えた」(富士通ソフトウェアテクノロジーズ テクノロジー基盤グループ ユビキタス技術事業部 ユビキタス基盤サービス部部長の田中岳彦氏)。同社はFirefox OSを多機能プリンターやデジタル・サイネージ機器に応用することを想定してデモ用システムを構築し、2012年秋の展示会に出展した(図7)。

図7 スマホ以外への適用の期待も
Firefox OSは、組み込み機器のソフトウエア・プラットフォームとしては構造が比較的単純な上、アプリ開発の工数も削減できる可能性がある。そうした点を評価する富士通ソフトウェアテクノロジーズは、Firefox OSの組み込み機器への適用が進むとみる。
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 「サード・パーティー製のアプリを多数入れるような用途でなくても、操作画面を持った機器でアプリの開発が比較的容易なのは大きなメリットだ」(田中氏)とみる。Androidなどに含まれる多機能のライブラリを導入せずに済むため、Webエンジンが軽快に動作しやすい。アプリの開発しやすさは開発コストの削減にもつながる可能性が高い。