iOSとAndroidに続く、スマート機器向けOSの第3の選択肢として「Firefox OS」と「Tizen」が浮上してきた。HTML5をアプリケーション実行環境に持つこれらのOSがもたらすのは、純粋なハードウエア・ビジネスの終焉だ。端末メーカーは安価に大量に製造できるメーカーとサービス企業の連合軍と争わなければならない。本稿では、HTML5という劇薬がもたらす今後の端末ビジネスの姿を描く。
連載
さらば端末ビジネス HTML5が突きつける最後通告
目次
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第5回 サービス企業が端末ビジネスのライバルに
HTML5へのシフト、NTTドコモによる9975円(キャンペーン価格)のタブレット端末「dtab」発売、米Facebook社によるAndroid向けホーム・アプリ「Facebook Home」の提供─。全く違うように見えるこれらの現象の根っこにあるものは共通だ。
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第4回 HTML5へのシフトが進む
HTML5への移行が進む可能性が高いことは、アプリ開発者の動向からもうかがえる。iOSとAndroidという二つのモバイルOSが支配的な状況において、アプリ開発者は両方のモバイルOSへの対応をなるべく効率的に行う必要に迫られていた。
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第3回 理想像追うFirefox OSと現実的なTizen
Mozilla Foundationが管理するFirefox OSを採用した端末は、中国ZTE社、中国TCL社、韓国LG Electronics社が2013年夏に投入する予定だ。この他、中国Huawei Technologies社やソニーモバイルコミュニケーションズが製品化する計画を表明している。
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第2回 消えるパソコン用ソフト
メール・ソフトに地図ソフト、スケジュール管理ソフト─。以前はパソコン用の市販アプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)で実現していた処理の多くを、Webブラウザー上で実行するWebアプリで代用できるようになった。パソコンにインストールするネーティブ・アプリよりもWebアプリの方が快適に動作する…
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第1回 スマートフォンを変革するHTML5という劇薬
「iPhone」や「Android」搭載機といったスマートフォンは、「アプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)をインストールできること」が大きな利点である。つまり「持ち運べる超小型パソコン」だ。ところが、本家のパソコンでは、インストール型のローカル・アプリに代わって、Webブラウザーで実行す…