より高度なミッションが可能なマイクロ衛星

LAPAN\-TUBSAT
LAPAN-TUBSAT
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LAPAN\-TUBSATの内部構造(TUB/ILR)
LAPAN-TUBSATの内部構造(TUB/ILR)
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 マイクロ衛星になると、ペイロード(観測機器など)に割り当てられるリソースが大きくなるため、口径の大きな望遠鏡により解像度を高めることなどができ、より高度なミッションが可能になる。

 2007年に打ち上げられたLAPAN-TUBSATは、インドネシアとドイツの共同プロジェクト(ベルリン工科大からインドネシアの宇宙機関LAPANへの技術移転)で開発された光学リモートセンシング衛星である。LAPAN-TUBSATは地表分解能:6m、幅3.5kmの動画を撮影することができる。この動画撮影用の望遠鏡は、産業用のニコンのレンズとソニーのビデオカメラを組み合わせている。Webサイトにサンプル動画がアップされており、マイクロ衛星のデモンストレーションとなっている。

 日本では、東京大学と次世代宇宙システム技術研究組合が中心となり、マイクロ衛星シリーズ「ほどよし衛星」の開発を進めている(内閣府最先端研究開発支援プログラム「日本発『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」:通称「ほどよしプロジェクト」)。ほどよし衛星は4機開発されており、1号機、3号機、4号機は光学リモートセンシング・ミッション、2号機は科学ミッションを行う。2013年度打ち上げ予定のほどよし1号機では、地上分解能:6.7m、幅27.8kmの画像を取得する。3。4号機ではさらなる高解像度化が進められる予定である。ほどよしプロジェクトでは、単なる技術開発にとどまらず、新たな衛星画像の利用方法を開拓する予定である。

ほどよし1号機(下部は台座)
ほどよし1号機(下部は台座)