半導体や電子部品といった業界の垣根を越えたデバイスの“大競争時代”に突入した。2010年代の次世代コア・デバイスの「統合化デバイス」は,半導体単体ではなく,MEMSをはじめとするさまざまな機能を取り込んでいく。こうした技術進化が,デバイス業界に大競争を引き起こしている。この競争には,Siファウンドリも参戦する可能性が高く,その勝負の行方は混沌としている。勝敗を左右するのは,さまざまな機能を低コストに1パッケージ化するためのMEMS技術である。

 半導体メーカーと電子部品メーカー。これまですみ分けてきた二つの業界が,垣根を越えて協業あるいは競争する例が,ここへ来て目立ってきた(図1,図2)。この動きは,“デバイス大競争時代”の始まりととらえることができる。

図1●デバイスの“大競争時代”に突入
(a)さまざまな業界と次世代の「統合化デバイス」をめぐる相関図を示した。日経マイクロデバイスが作成。(b)MEMS 技術を持つベンチャ企業の例。写真は,左から米Discera Inc.,米wiSpry, Inc.,米Akustica,Inc., 米Microvision,Inc.,米Perpetuum Ltd.,米CardioMEMS Inc.のデータ。
[画像のクリックで拡大表示]
図2●LSI部品などの企業がMEMSの取り込みに動く
デバイス業界においてMEMS 技術を持つ企業との連携に動くデバイス企業の例を挙げた。日経マイクロデバイスが作成。
[画像のクリックで拡大表示]