「オープンソース」化が進展

 UGDの世界に向けて,もう一つの重要な動きがソフトウエアやハードウエアのオープンソース化だ。機器を開発する際に自由かつ安価に使えるソフトウエアやハードウエアの機能部品が増えている。

機器開発がユーザーの手元に
オープンソース・ハードウエアの普及で,自由かつ安価に使えるハードウエア・ライブラリが充実すれば,UGDを自作するユーザーの選択肢が増える。

 まず,ソフトウエアの分野では,オープンソース・ソフトウエアの活用で機器開発にかかるコストや人員を従来よりも大幅に減らしやすくなった。組み込み機器向けのOSやデバイス・ドライバといった無償のソフトウエア・ライブラリがそろいつつあるからだ。Google社の組み込み機器向けソフトウエア群「Android」などは好例である。

 ネット・サービスでも,多くのネット企業が自社サービスの機能を他のサービスと連携させるためのAPIを無償開放する動きが活発だ。「数年前まで1000行のプログラムを書かなければ実現できなかったネット・サービスが,今はたった数行で済むようになっている」(あるネット・ベンチャーの経営者)。無償の組み込みソフトウエアやネット・サービスのAPIの選択肢が増えたことで,ネット・サービスを機器に取り入れることが格段に容易になっている。

参考文献
1) 山田ほか,「ネットが創る意外な売れ筋」,『日経エレクトロニクス』,2007年1月29日号,no.944,pp.85—103.
2) 浅川,「ベンチャー発のWebガジェット,シリコンバレーで花開く」,同上,2008年9月8日号,no.986,pp.93—103.