モバイルデバイスに採用されるプロセッサは、ARMアーキテクチャを採用したものが主流である。だが、スマートフォン登場以前のPDA世代や初期のスマートフォンでは必ずしもARMアーキテクチャだけではなかった。実際、米MicrosoftのWindows CEは、ARM以外にMIPSやSuperH(SH)など複数のプロセッサアーキテクチャに対応していた。また、組み込み系ではARM以外のプロセッサも広く使われていた。

 英ARMは、スマートフォン登場以前よりプロセッサの高性能化を始めていた。現在のCortex-Aシリーズに採用されているARMv7アーキテクチャは2004年、そしてARMv7アーキテクチャに基づく最初のプロセッサである「Cortex-A8」は2005年に発表されている。2007年のiPhone登場以後、スマートフォンの急激な成長が始まったが、技術的な背景には低商品電力で高性能なARMアーキテクチャのプロセッサがあったというわけだ。

 写真1は現在の現在のCortex-Aシリーズのロードマップである。既に「Cortex-A15」を搭載したSoCが発表されており、64bitモードを持つ「Cortex-A57」「同-A53」も開発中だ。今後の高性能化がこうしたロードマップから見てとれる。

写真1●現在のCortex-Aシリーズのラインアップ
「Cortex-A15」を搭載したSoCが発表されており、64bitモードを持つ「Cortex-A57/53」を開発中。
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