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訴えると特許が消える

技術の価値を失うリスク、日本メーカーが挑む壁(その1)

高橋 史忠=Tech-On!,竹居 智久=日経エレクトロニクス
2013/05/09 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2010年3月8日号 、pp.34-36 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 特許を取り巻く環境の変化は,日本の製造業が直面する課題を映し出している。特許の権利を行使しにくい日本,知財大国を目指す中国,そしてインターネット…。「プロパテント(特許重視)」の掛け声の下,特許を強化してきた日本メーカーはどこに向かうのか。

 ひとつ,また一つと日本で特許が消えている。消える舞台は,特許侵害訴訟の法廷だ。一度独占権を許された技術の評価が180度変わり,効力を失う例が相次いでいる。

 凸版印刷で知的財産業務に長年携わる萩原恒昭氏(法務本部 本部長)は,“消える特許”を体験した当事者の一人。3年半前,被告側として挑んだ特許侵害裁判で,大日本印刷の特許を無効とする判決を逆に勝ち取った。カギは,凸版側が提示した二つの技術資料。そこには,大日本の特許の進歩性を覆す先行例が記されていた。

 この数年,凸版と大日本は,それぞれが保有するエレクトロニクス関連特許の有効性を巡る訴訟で,勝ったり負けたりの意地のぶつかり合いを続けている。凸版の勝訴は,その戦いの一つ。背面投射型テレビ向けのスクリーン技術に関する特許侵害裁判だ。この訴訟で大日本は,凸版のスクリーン製品が大日本の特許を侵害したとして提訴し,損害賠償と製造・販売の中止を求めた。

 凸版は,他の企業が特許出願した2件の先行技術を組み合わせれば,大日本の発明は容易で進歩性はないと主張。1審の東京地方裁判所は,その主張を受け入れて大日本の特許を無効と判断し,2審の知的財産高等裁判所も支持した。訴訟が始まった当時,背面投射型テレビ向けスクリーンは,凸版の大きな収益源。それだけに「著名弁護士を立てるなど,かなり力を入れた」と萩原氏は振り返る。

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