イラスト:丸山 幸子

 特許を取り巻く環境の変化は、日本の製造業が直面する課題を映し出している。知財立国の言葉だけが先行し、実際は特許の権利を行使しにくい日本。世界中から特許をのみ込み、知財大国を目指す中国。そしてインターネットの世界では、従来の常識とは異なる新しい知財の考え方が生まれ始めている。

 米国が先を行き、日本が追い掛けてきた「プロパテント(特許重視)」。その掛け声の下、特許を強化してきた日本メーカーは、どのような立場に置かれているのか。それを知ることは、「発明者」である技術者がイノベーションを目指す際の大きなヒントになる。