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米国特許、60年ぶりの新法がもたらすもの

準備を怠れば、特許を失う

知財大国の新制度を読み解く(第3回)

  • 高橋 史忠=Tech-On!
  • 2013/04/25 00:00
  • 1/3ページ

 約60年ぶりの改正となった新しい米国特許法。「先発明主義」から「先願主義」に大転換したものの、前回の記事「“米国流”先願主義は、敵か味方か」で説明したように「グレース・ピリオド(grace priod)」と呼ぶ猶予期間を残した。大学や個人発明家への配慮だ。これが、真の発明者を争っていた先発明主義の時代とは異なる新しい係争の火種になる可能性がある。

 グレース・ピリオドの制度を残したことで、今回の先願主義ヘの移行は、他の国とは様相が異なる“米国流”というのが、法律関係者の一般的な意見だ。実は、同様の猶予期間は日本にもあるが、あくまで例外的な規定という位置付け。期間が6カ月間と短いことに加え、発表後に同じ発明が公開された場合は発明の新規性を失う。

 一方、米国の新法では、発明の公開後1年間、同じ内容で後から第三者が発明を公開(出願)しても、それを基に自身の発明が後願と判断されることはない。このため、「日本の制度に比べ、権利が強力」と、富士通 知的財産権本部 特許統括部長の中村三知男氏は見る。

 加えて、新法の条文では、グレース・ピリオドで保護される行為を「公開(disclosure)」と定めるのみ。今後定める運用規則に具体例が盛り込まれる可能性はあるが、「公開」の定義は今のところ不明確だ。「『公開』の内容が分からないので、今後の展開は予想できないところがある」(富士通の中村氏)と懸念する声は少なくない。

発明を先に公開した者は誰か

図1 特許の攻撃手続きが多様に
特許の登録後に、第三者がその特許が無効であることを申し出る権利確認の手続きが新設された。競合他社の特許を攻撃しやすくなると同時に、逆に自社の特許を失うことを懸念する声も強い。
[画像のクリックで拡大表示]

 米国以外の国にも特許を出願する大手メーカーは、従来も特許出願前に発明を公開することは稀だった。だが、米国の中小企業など米国だけに特許を出願する立場では、先に製品を出して好評だったら特許を取ったり、前もって発明内容を公開しておき、他社の発明の新規性を阻害したりといった戦略を採る可能性もある。これにより、「発明を先に公開した者は誰か」という新たな係争の火種が生じることになりそうだ。

 先願主義の施行は2013年3月。その1年前の2012年3月の公開内容からグレース・ピリオドは有効になる。特許調査などでは、既に出願された特許だけではなく、他社の公開内容まで範囲を広げる必要が出てくるだろう。

 異議申し立て制度では、特許登録後の9カ月間に申し立て可能な「登録後レビュー(post grant review)」や、その後の期間を対象にした「当事者系レビュー(inter partes review)」などの制度が新設された(図1)。いずれもUSPTOへの申し立て後、短期間に権利確認の結論が出る見込みで、訴訟に比べれば大幅に費用が少なく済みそうだ。

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