「待ちに待った改革によって特許プロセスはスピードアップし、発明家や起業家は新しい発明を迅速に事業化できるようになる」。

(写真:Official White House Photo by Lawrence Jackson)

 米国のオバマ大統領は2011年9月16日、このコメントとともに約60年ぶりの改正となる新しい特許法に署名した。最も象徴的なのは、「先発明主義」から「先願主義」への大転換で、“真の発明者”を巡る争いに終止符が打たれたことだ。

 大統領の署名から1年半。2013年3月までにさまざまな新制度が順次施行されてきた。世界トップの知財大国である米国で新しい特許法が効力を発揮し始めるのは、まさにこれからである。米国の特許制度は今後しばらく不安定な状態が続くとの見方も根強い。新たな特許法は、何をもたらすのか。特許法の改正が決まった直後に日経エレクトロニクスが解説したインパクトを紹介する。