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HOMEものづくり「渋滞学」の東大・西成教授に聞く「製品開発の現場で使える数学」 > 最終回:“数学で証明しました”に勝るものはない

「渋滞学」の東大・西成教授に聞く「製品開発の現場で使える数学」

最終回:“数学で証明しました”に勝るものはない

  • 木村知史=日経ビジネス
  • 2013/03/19 00:00
  • 1/2ページ

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―――西成教授は産業界に数学を応用しようと活動されていますが、世の中全体にも数年前から数学ブームが訪れています。

西成:ブームが来ているとすれば嬉しい話です。これだけ社会が流動していて、何を信用していいか分からなくなっているじゃないですか。皆、心のよりどころを求めている。何か正しいものがないかと探している。そこで数学なんです。1+1=2。これは絶対なんです。絶対に流されない。混迷を極めた時代だからこそ、数学が浮上してきたのではないかと思うのです。

 数学は絶対なのですから、極端な話、社長だって簡単に説得できるんです。例えば、次の二つを比較して聞いてみてください。

「車間距離を空けると渋滞がなくなります」
「車間距離を40メートル空けると、渋滞がなくなることを数学で証明しました」

 圧倒的に後者の方が説得力があるのが分かると思います。私が一番快感を覚えるのは、「証明しました」という言葉を言ったとき。証明しました、と言い切ってしまえば、世界中で誰も否定できないのです。だから、自分の意見に自信がなくて上司に突っ込まれて落ち込んでしまう人なんかには、数学的なアプローチがお奨めですね。

 もちろん、製品開発の現場でも同じです。例えば、ある部品の取り付け角度の最適化に取り組んでいたメーカーに相談を受けました。実験とかシミュレーションとかやってもなかなか解が出せない。あるときはうまくいっても、あるときはうまくいかない。そりゃ当然なんですよ。自然界が邪魔をするのですから、実験には必ずノイズがのるんです。そうなってくると、ノイズに隠れた本当の姿が見えない。

 そこで数学を利用してばしっと解いてしまう。公式を利用して解いて見せるんです。「取り付け角度は45度が最適であることを証明しました」と。そうすると、皆、「やっぱりそうだよな」と自信が持てる。そういった力が数学にはあるんです。

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