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【Part2】第1回 なぜ上司はイノベーションに反対するのか

小林三郎=中央大学 客員教授(元・ホンダ経営企画部長)
2013/03/04 00:00
出典:日経ものづくり、2010年5月号 、pp.80-81 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 あなたがとびっきりのイノベーションのアイデアを持っていたとしよう。商品に組み込めば、今まで見たことも聞いたこともないような機能を実現できる。しかもそれは、顧客が心から望んでいる機能だ。もちろん、部署としての正式なプロジェクトではないので、自分の時間を使ってサーベイする。原理的には不可能ではない。技術開発の道筋は混沌としているが、致命的なデッドロックはないようにみえる。「技術的には筋がいい」。そう、あなたは確信する。

 ある日、あなたは思い切って「この技術の可能性を探ってみたい」と、上司に相談する。ところが上司は迷惑そうな表情を浮かべ、「君には今、ほかにすべきことがあるんじゃないか」と不機嫌になる。まるで「言われたことさえやっていればいいのだ」と言いたげだ。あなたはガックリする。

 いや、そんな無理解な上司ばかりではない。あなたの提案の価値と可能性を理解し、仕事としてその技術を検討してもよいと判断してくれる上司も、中にはいるだろう。そして検討を進め、満を持して役員会に提案。すると…。「開発にどれくらいの時間とカネがかかり、どれほどの利益が見込めるのか。その根拠は」「思い込みが強すぎる。そんな機能を顧客は欲しいと思うだろうか」などと集中砲火を浴びる。結局、あなたのアイデアは泡と消える。

イノベーションの危機

 筆者が多くの企業でヒアリングしたところ、こうした事例が驚くほど多い。その際に共通する特徴は、評価する側に当事者意識が全くないことだ。イノベーションの初期段階、つまり世界のどこにもない技術に関して、開発費用や利益額、ましてやそれらの根拠などを答えられる人がどこにいよう。それなのに、自分は部外者的な安全圏にいながら、したり顔で問い詰める。外部の評論家ではあるまいに。

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