日経ものづくり

第2回 日本に技術を蓄えつつアジアで戦う

池松 由香=日経ものづくり
2013/04/24 00:00
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図1●ものづくりに有利な環境が整う
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図2●沖縄県とその他地域の大卒男子の平均初任給の比較
製造業における大卒男子の平均初任給は、東京都では21万1500円であるのに対して、沖縄県では15万9500円と約25%も安い。沖縄県内で製造業の平均初任給を産業全体のそれと比較しても、約8000円安い。(厚生労働省平成22年賃金構造基本統計調査より)
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 2つめの競争力である人材力は、具体的には若い働き手の労働力を指す。実は沖縄には、琉球大学工学部をはじめとする大学、工業高校、工業専門学校において工学系の教育を受けた人材が、年間約3000人も輩出されている。この労働力を生かさない手はない。(図1

 併せて、日本の他の地域に比べて賃金が安い(図2)。製造業における大卒男子の平均初任給は、東京が21万1500円であるのに対して、沖縄では15万9500円。もちろん、人件費の安さだけを追い求めては堂々巡りに陥るだけだが、進出を考える企業にとっては利点となる。

若手を即戦力に変える研修

 しかも、人材力を高める仕組みも用意されている。実はこれこそが、冒頭に登場した金型技術研究センターの役割だ(図3)。同センターは、賃貸工場に入居する金型関連メーカーと一体となり、入居企業の新入社員の教育や新規技術の開発に取り組む。そのセンター長を務めるのが、この取り組みの発案者で、樹脂金型などを開発・製造・販売するメルコ(本社静岡県磐田市、ヤマハ発動機の子会社、2012年4月にヤマハ発動機に吸収)で社長を務めた金城盛順氏である。

図3●特別自由貿易地域(うるま市)と自由貿易地域(那覇市)に適用されている保税地域制度金型技術研究センターの目的と役割
金型技術研究センターは県が設置した研究機関。同じ工場棟で軒を並べる賃貸工場の入居企業とともに、人材育成や研究開発に取り組む。5軸加工機や大型射出成形機なども保有し、入居企業に貸し出しもしている。併せて、沖縄県内の工学系教育機関と連携することで、金型業界の人材不足解消にも寄与している。
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 同センターの主な活動の流れはこうだ。まず、沖縄県内の教育機関と連携し、金型に興味のある若い人材を集める。その人材を賃貸工場に入居する企業に紹介し、希望に合えば新入社員として雇用してもらう。そして、新入社員に対しては、入居企業と共同で開発した研修を約1年間にわたって施す。カリキュラムは「実務ですぐに役立つ内容」(メルコ沖縄データセンター主任の宇佐川修氏)のため、即戦力になる人材が育つ。

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