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設計・生産 ものづくり現場の競争力アップに貢献する
 

第15回:目的なく電子データを長期保存

木崎健太郎、富岡恒憲
2013/04/15 00:00
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出典:日経ものづくり、2010年7月号 、p.52 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 コンピュータ・システムの普及が進み始めた時期から、情報を長期にわたってどう保管・保存すべきかが重要な問題として議論されるようになった。コンピュータ技術の発展は急激で変化が大きく、アプリケーション・ソフトウエアもバージョンアップを繰り返したり、後継ツールが出現したにもかかわらずデータ互換性が完全ではなかったりする。電子データを長期間、いざというとき使えるように維持していく方法の案出は、難題とされてきた。

* CADデータ交換の標準規格「STEP(ISO10303)」の制定活動も、もともとは長期保管・保存を視野に入れたものだった。

 現在でも、データの長期保管・保存の手段として決定的なものはない。常にデータを使えるように、最新版ツールに合わせて変換し続けるには、工数とコストがかかる。変換しないで使えるようにしておこうと思えば、以前のシステムをハードウエアごとそのまま残しておけばよい。しかし、古いシステムは保守サービスがなく、故障したらそれっきりになってしまう。

 記録として残すなら、紙に印刷するのが一番確実かもしれないが、物理的にかさばるし、火事などの災害に弱い。精密機器メーカーなどでの勤務経験がある技術者は、「デジタルデータにさえしておけば、(100%の精度ではないにせよ)変換処理をすればさまざまなところへ持っていけるが、紙ではそうはいかない」と言う。「ある部品メーカーは、これまでの設計資産をすべて紙で保有し、それを小学校の教室くらいの部屋に保管している。この部屋が火事になったら、設計資産は無に帰してしまうのが実情」(同技術者)だ()。

図●データの長期保管・保存方法には決定版がない
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