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第8回:効率向上で空いた時間をムダ遣い(下)

木崎健太郎、富岡恒憲
2013/03/21 00:00
出典:日経ものづくり、2010年7月号 、p.45 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 3次元CADやPDMなどのITで開発期間の短縮を目指すことは、かつて「常識」だった。しかし、効率を上げるばかりでは現場は疲弊するし、非創造的な仕事ばかりが増えると技術者がアイデアを出す余裕を失ってしまうことから、それで本当によかったのかという反省が生まれ始めていることについて、前回紹介した。今回も前回に続き、この点について考えていく。

仕事の在り方を考えるべき

 では、ITで期間短縮を目指してはいけないのか。同じ製品を開発するのに長くかかるのと短くて済むのと、どちらが良いかといえば、コストの面で見ても短い方が良いに決まっている。問題は、期間短縮や効率化のみを目指すと、長期的には変な方向に進んでしまうことだ。

 ある自動車メーカーの技術者は「開発にどうしても長い時間かかってしまう企業と、やろうと思えば短い時間で作れる企業が長い時間をかけた場合とで比べれば、後者の方が良いものができるはず」と指摘する。この言葉が意味しているのは、開発期間を短縮できる能力は、高品質な製品や魅力的な製品の開発、あるいはコスト低減やタイム・ツー・マーケットの実現のいずれにも生かせるということだ。あるいは、開発期間短縮は目的ではなく手段として実現するべきもの、とも解釈できる。

 従って、「ITシステムを導入する際には、企業としてどんな価値を顧客に提供したいのか、その品質・コスト・納期(QCD)をどう向上できるのかをまず考えるべき」(住商情報システム製造ソリューション事業部PLMソリューション・ものづくりITアドバイザーの坂井佐千穂氏)。例えば顧客の個別の要求にすばやく応えることが自社の価値であるとするなら、オプション対応を強化すること、製品自体のモジュラーデザインを強化することなどが施策として必要になる。「その施策を実行するのにITに必要な機能は何かを考え、システムに実装する」(同氏)。その結果として、QCDの向上効果が得られることになる。

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