2010年12月に発足した経済産業省の「サイバーセキュリティと経済 研究会」では、サイバー攻撃により、知的財産やライフラインを狙った事案や企業などの機密漏えいが多発している状況から、ITの安全確保によって守るべき対象が経済活動や国民生活に直接関わる分野へ変化していると指摘した。これらの状況を考慮して、経済の成長・安全保障の観点から、必要な情報セキュリティー政策が検討されている。この中で、以下三つの新しい政策が提言されている。

  • 標的型サイバー攻撃への対応
  • 制御システムの安全性確保
  • 情報セキュリティー人材の育成

 今回はこの連載のテーマである「制御システムの安全性確保」に対応する政策について、その背景を含めて解説する。