「(従来型携帯電話機で中国の市場を席巻した)“シャンザイ(山寨)”の市場はだんだん小さくなってきた。小規模なメーカーも2Gから3Gへ移行し、オープンな市場が拡大しつつある」(米Qualcomm Technologies社 Senior Director, Product ManagementのSean O'Leary氏)。

Qualcomm Technologies 社 Senior Director, Product ManagementのSean O'Leary氏
Qualcomm Technologies 社 Senior Director, Product ManagementのSean O'Leary氏

 台湾MediaTek社が提供するチップセットと参照設計、ソフトウエア開発環境によって広がった、いわゆる「山寨機」。米Qualcomm社は、2G時代の山寨機に取って代わる、低価格スマートフォン市場に向けた取り組みも実行中だ。

 その中心となるのが「Qualcomm Reference Design」(QRD)である。「より多くのOEM企業が高機能なスマートフォンを作れるようにするために、数年前にQRDの取り組みを始めた」(Sean O'Leary氏)。中国などの新興国市場に向けた低価格なスマートフォンに先端技術を持ち込む意味がある。

中国の3G利用者はまだ27%

 O'Leary氏によると、中国の端末出荷台数は年間7億台弱であり、10億弱の携帯電話利用者のうち3Gの利用者は27%にすぎないという。中国市場には3Gおよびスマートフォンへの移行が同時に起こるという大きな市場機会が広がっているのだ。さらに、中国には90社以上のOEM企業があり、「それらのOEM企業が中国だけではなくインドなど各国に出荷している」(同氏)。