Qualcomm社President and COOのSteve Mollenkopf氏
Qualcomm社President and COOのSteve Mollenkopf氏

 パソコンからモバイル・コンピュータへの移行が加速するとみるQualcomm社は、ARMアーキテクチャ互換の独自CPUコアや各種の移動通信方式に対応するベースバンド処理回路などを集積したスマートフォン向けプロセサを「Snapdragon」ブランドで提供している。「将来的にはすべての(個人向け)コンピュータがモバイルになるだろう。モバイル・コンピュータはパソコンと比べ、統合しなければならない技術が大幅に増える。そのために我々は、必要とされる技術をどんどんチップセットに統合していく」(同社President and COOのSteve Mollenkopf氏)。RFトランシーバICや電源管理ICなどをセットで供給できることも強みになるという。

 2011年からは、Androidスマートフォンの開発を容易にするための参照デザイン「Qualcomm Reference Design」(QRD)の提供を開始した。Qualcomm社のチップセットを使ったスマートフォンの電気回路設計や機構設計、推奨部品の選定、デバイス・ドライバを含めたソフトウエア一式の開発、各種のテストなどをあらかじめ実施した上でスマートフォン・メーカーに提供するものだ。スマートフォン・メーカーの開発負担を軽減することで、中国や東南アジア、南米などの地域で高い競争力を持つ安価なスマートフォンを製品化できるようにすることを狙う。

 次回からは、「再定義されたコンピューティング」と「未曾有のデータ通信要求」に関する同社の現状認識および今後の戦略や、スマートフォン市場の拡大に向けたQRDへの取り組みの状況を解説していく。