スマートフォンやタブレット端末に向けた半導体チップセットの事業が好調の米Qualcomm社。2012年11月に株式時価総額で米Intel社を抜き、2012年12月にはシャープへの出資も発表するなど、Qualcomm社がこれまで以上に注目されるようになった。Qualcomm社が2012年11月に米国で開催した報道関係者向け説明会の内容を中心に、Qualcomm社の今を解説する。
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Qualcomm研究
目次
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第4回 「1000倍のトラフィック」を合言葉に、あらゆる無線技術を組み合わせる
米Qualcomm社が無線通信技術の開発で合言葉にしている目標がある。「1000倍のデータ・トラフィックに備える」ことだ。2011年に世界のデータ・トラフィックは前年比で2倍に増えた。このペースで10年間トラフィックが増え続ければ、約1000倍になるとの仮定に基づくものである。「1000倍のデータ…
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第3回 スマートフォン市場拡大の切り札となる参照デザイン「QRD」
米Qualcomm社は、山寨機に取って代わる低価格スマートフォン市場に向けた取り組みも実行中だ。その中心となるのが「Qualcomm Reference Design」(QRD)である。「より多くのOEM企業が高機能なスマートフォンを作れるようにするために、数年前にQRDの取り組みを始めた」(米Q…
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第2回 「重要なものはどんどんチップに取り込む」、Snapdragonの挑戦
モバイル・コンピューティングへの移行を支えるべくQualcomm社が提供するのが、「Snapdragon」ブランドに代表される半導体製品である。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器の半導体に求められる各種の主要機能を自社開発し、それらを統合した形で提供するのがQualcomm社の戦略だ…
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第1回 モバイル化と未曾有のデータ通信量への対応を主導する
米Qualcomm社が2012年11月7日に発表した2012年度(2011年10月~2012年9月)のGAAPベースの決算は、売上高が前年度比28%増の191.21億米ドル、営業利益が同13%増の56.82億米ドルだった。いずれも同社として過去最高だ。