集約と分散、どちらが得?

 部品の配置が決定したら、今度はそれぞれの部品の「単位」について考える。単位には、作業や機能、材質といった同一の視点で部品を集める「集約」と、特定の部品を他の部品から離す「分散」の2つの考え方がある。

 まずは集約から。部品の配置で姿勢変更動作を無くす方法について取り上げたが、複数の部品を同一面に集約することでも姿勢変更動作を無くせる〔同(3)〕。もちろん、ベースを平置きにして上から作業する場合は、組み付ける先を上面にする。

 「部品を支える」などの同一の機械的機能を集約して複数の部品を一体化することも、組み立て/分解の工数を減らせる〔同(4)〕。柔らかく形の定まらないワイヤは、基板を集約することで1つにまとめると、配線の工数が削減できてメリットが大きい〔同(5)〕。鉄やガラス、プラスチックなどの同一材質を近くに配置するように集約すれば、リサイクルのために分解する工数を減らせる〔同(6)〕。

 次に分散。メンテナンス時に取り換えたり、リユースするために取り外したりする部品は、他の部品と離すことにより、単独で取り出せるようになる〔同(7)〕。目的の部品を取り出すまでの余計な分解をしなくて済む。

 最後に形態。形態には、集約または分散した部品を物理的に1つの独立した単位にする「モジュール」と、そのままの状態で配置する「オープン」がある。モジュールは、下層の部品を取り出しやすくしたい場合などに効果がある〔同(8)〕。取り出したい部品と上層の部品を1つにまとめれば、一括で取り出せるからだ。ただしモジュール化は、複数の部品をまとめる作業が組み付け時に発生し、ベースになる部品が増える傾向にあるので、取り出す必要がないのであればオープンのままでよい。