[1]フレームデザイン
 フレームデザインの決定では、まず部品の「配置」とそれぞれの部品の「単位」について検討し、必要に応じてモジュール化するかどうかの「形態」を考える(図2)。フレームデザインは工夫次第で、組み立て/分解時の姿勢変更動作を無くしたり、分解作業そのものを廃止したりできるため、大きな動作時間の短縮が望める。この意味で、3つのデザインの中で最も重要だ。

図2●フレームデザインの構成と思考手順
図2●フレームデザインの構成と思考手順
フレームデザインは、部品の「配置」「単位」「形態」の3つの要素で構成される。まずは部品をベースのどこに配置するか、それぞれの部品の単位を幾つにするかを考える。次に、複数の部品をまとめて「モジュール」とするか、あるいはモジュールにはせずにそのまま設置する「オープン」とするかの形態を考える。

 「配置」では、製品空間内のXYZ軸において、どこに部品を置くのが効果的かを考える。例えば、ベースに対して部品を下面、側面、上面のどこに置くのが効果的かを検討する〔図3の(1)〕。最も効果的なのは上面。大抵、作業者はベースを平置きにし、その上から組立/分解作業を実施するため、ベースの上に全ての部品を配置すれば、姿勢変更動作をしなくて済む。

 配置では、面だけではなく上下の「層」という視点も重要になる〔同(2)〕。製品空間内の上層部に置くか下層部に置くかで、分解の動作時間に影響が出るからだ。例えば、メンテナンスやリユースを必要とする部品は、外装のフタに近い開口側に配置するとよい。

図3●フレームデザインの事例
図3●フレームデザインの事例
フレームデザインでは、部品の「配置」「単位」「形態」について検討する。それぞれについて典型的な例を示した。