資源循環のものづくりを

 ここまでは、組立性設計が自動化ラインの導入効果や人の生産性を高める手段として進化し、現在は海外生産を迅速に立ち上げる手段として着目されていることを説明してきた。では、分解性設計はどうか。分解性設計はこれまで一貫して、リサイクルやリユースに代表される「資源循環のものづくり」を実現するために取り組まれてきた。資源循環のものづくりは、資源の乏しい日本では永遠のテーマ。この社会的要求は年々高まる傾向にある。

 資源循環のものづくりを整理してみると、実は分解性設計だけではなく組立性設計も深く関わっていることが分かる(図3)。

図3●資源循環型の製品と組立性・分解性の関係
図3●資源循環型の製品と組立性・分解性の関係
資源循環型の製品を、3つの基本的な原理に基づいて分類すると、6つのモデルに分けられる。ロングライフモデル以外は、組立性・分解性設計が深く関わっている。

 資源循環のための基本的な原理は、[1]製品を生産する際の資源投入量を減らす「資源投入の最少化」、[2]製品をなるべく長く使用可能とする「資源使用の最長化」、[3]寿命の尽きた製品からなるべく多くの資源を得る「資源排出の最大化」、の3つだ。さらに、これらの原理に基づいて製品を分類すると6つのモデルに分けられる。