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第6回:隠れたロスコストに要注意

高橋功吉=ジェムコ日本経営 取締役
2012/12/07 00:00
出典:日経ものづくり「海外工場を切り盛りする 技術者のための経営入門」、2012年8月号 、pp.78-83 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 前回まで、変動損益計算書をベースに、利益体質への改善を図るための考え方を説明してきた。しかし、変動損益計算書からは見えないものもある。それが気付かぬうちに発生している損失(ロスコスト)だ。利益を高めるため、ロスコストの削減にも取り組もう。ロスコストほどムダなものはない。おまけに、ロスコスト撲滅の取り組みは、「仕事の質」の向上にもつながる。

 一般に、ロスコストは材料費や物流費、人件費といった経費の中に埋没しており、費目ごとの費用削減の取り組みでは見落とされがちだ。従って、それぞれのロスコストを別途管理項目として抽出した上で削減に取り組むのが、仕事の質の向上という点で有効である。

 では、具体的にロスコストにはどのようなものがあるのだろうか。代表的なものは、これまでも何度も述べてきた廃棄ロスである。特に、資産が長期滞留で陳腐化し、使えなくなった揚げ句に廃棄するほどムダなことはない。在庫処分のための値引きや、品質(市場品質対策のための費用、手直しの費用、不良による廃棄など)に関わるロスコストも目立つ。

物流費にも目配りを

 海外拠点で特に気を付けなくてはならないのが、物流費のロスコストだ。例えば納期がギリギリで通常の船便では間に合わないため、急きょ航空便を使うなどで生じる。肝心なのは、こうしたロスコストを日々管理し、削減のための取り組みを粛々と進めていく姿勢である。例えば、廃棄ロスの削減には、日ごろから長期滞留在庫や過剰在庫がどれだけあり、いつまでにそれをなくすかを管理しておくべきだ。

 品質ロスコストについては、多くの企業は品質トラブルの件数や損失金額は把握しているものの、中には掘り下げが甘い場合がある。新製品の立ち上げ段階での品質問題ならば、設計の手戻りや新製品の金型修正費、量産準備段階での試作のやり直しなど、損失の項目を細かく分類していくことで、隠れたロスコストを浮かび上がらせることができ、より具体的な対策を立てやすくなる。

 先の航空便の費用もしかり。管理項目として取り上げて開示することで、生産が計画から遅れるとどれだけロスが増えるかを全員が認識でき、出荷日までに間に合わせようという意識を醸成できる。このように、ロスコストの削減は、利益向上とともに仕事の質の向上にもつながる。ぜひ、ロスコストの項目を明確にした上で、積極的に削減に取り組んでほしい。

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