Nokia社のSimo Vuorilehto夫妻。1985年ごろ,内海氏が関わっていた中国工場を訪れた際の一枚。
(写真:花井 智子(左下))

内海信二は,全米最大のエレクトロニクス機器販売チェーン「Tandy RadioShack」向けの製品を国内メーカーから調達するバイヤーとして名をはせた。円高が進む日本国内を離脱し,取引先を台湾や韓国,中国などアジア全域に広げる過程で内海はバイヤーだけではなく,新たな製造拠点の構築まで任される立場になっていく。そんな内海に,欧州から意外なパートナーが現れた。(=本文敬称略)

 Tandy RadioShackの内海信二(当時はタンディー・エレクトロニクス・ジャパン 代表取締役社長)は1985年の夏,フィンランド最大級の複合企業であるNokia Corp.のプライベート・ジェット機に乗っていた。行く先はSavonlinna(サボンリンナ)─。