ユニット設計手順書の作成

 ユニットとは、設計部品構成における1次または2次の部品である*1。自動車であれば、エンジン、ドライブトレーン系、ステアリング系、ブレーキ系などが相当する。基本設計手順書が完成に近づいたらユニット設計手順書の作成に取り掛かる。ここでも初めに設計フローチャートを作り、次に中身を詳細に書き出すことでユニット設計手順書を作成する。

*1 このユニットを「モジュール」と呼んでいる会社があるが、モジュールの定義は「互換性がある単位」であるから根本的な誤りである。1990年代に「モジュール生産」が流行したときの遺物だが、こういう混乱がモジュール化を推進する上での障害になる。

 第2回で示した自動車のワイパーシステム設計手順書は、ユニット設計手順書のレベルに相当する。このワイパーシステム設計手順書を作るに当たり、事前に作成した設計フローチャートを図1に示す。図1の「3.運転席側ワイパー機構設計」の部分を詳細に記述したのが、第2回で示した自動車のワイパーシステム設計手順書である。

図1●ワイパーシステム設計フローチャート
ワイパーシステムのようなユニットのレベルでは、まずこのような設計フローチャートを作成しておき、その次に各部の詳細に関する設計手順書を作成していく。