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会場からA氏 私はまだVE初心者なんですけれども、会社は製造業ですから、基本的にコストリダクションに重きを置いています。それは、たぶん、ファンクションが数値化できないからです。民間企業は、数値化できないと成果も測れませんし、活動にできません。予算ももらえません。

 Vを上げるためにファンクションを上げるというのは、式では分かるのですが、ファンクションを上げたときに、本当にお客さまのプライスを上げてくれるのかがうまく証明できなかったり、式にできなかったりするので、そこが苦しいところだと思うんです。

 すごく枯れた商品では、結局、プライスを上げるファンクションが出てこないので、皆さん苦しんでコストリダクションになっちゃっている。そこでファンクションを上げるための手法として、生活研究とかいろいろやっています。

 結局、F/Cといっても、プライスを上げてくれるFをどうやって見つけるかというところまで含めて一貫してできるツールなり活動なりがないと、VEではない他のツールが委員じゃないかと思い始めちゃっています。

会場からB氏 先ほど、V=F/Cのお話を聞きました。FとCの研究はVEの中でかなりされています。私が言いたいのは、Vの研究がされていないことです。Vは価値ですから研究はされているのですけれども、お客さまの研究はされていないと思うのです。

 会社は製品をつくるところの研究をします。どういうお客さまに売るかを考えますね。そのときの方法が、例えば今は、日本国内だったのがグローバルになってものすごく多様化している。人間も多様化していますね。だから、機能を探すためにお客さまを研究しなければ駄目なんです。

 VEでは、V=F/CでFとCにすぐ注目して、今まで来たわけです。今の世の中はソフトの時代だと言われて、物の時代ではないと言われています。そういう意味でも人間の研究をしないと駄目なんです。それと、Vの研究を重ねてやらないと20世紀は負けちゃうんじゃないかと思います。