佐藤 そういうようなことで、この観察法、動作分析、体験のときに対象範囲を広げておく。最後にスクラップを、それこそレアアースではないですけれども、半導体の中から何かを取り出していくことまで含めた半導体ができたら、これだけ半導体が入っているわけですから、日本は永久に中国から資源なんて買わなくたって済んじゃうようになるんじゃないかというくらい、対象範囲を広げることによって、新しいものができてくる。それが、場合によっては売価を高くします。

横田 さきほどご質問いただいた点についてお答えします。私も同じ疑問を最初に持っておりましたので。

 Fをどう評価するのかというのに、まずは基本に返るとなると、名詞を定量化できるものできちんと定義しているかどうかです。「電気を流す」ではなく「電流を通す」。そうすると、何アンペアなのかといった数値や程度が分かります。現行のやり方の機能の達成度が、それで評価できます。代替案が出たときも、その達成度はどうなのか。何アンペアだったものが何アンペアになるのか。時計の誤差が、月差何秒だったものが何秒になったのか。要は、定義が定量化できる名詞を使って、本当にちゃんとやっていければ、測れるんだから難しくはないんですね。

 なかなか全部が全部定量化できる名詞を使えるものではないんですし、実際、性能等級法というのを使わざるを得ないこともありました。ただ、我々は、佐藤さんが言われた情報収集してでも、観察してでも、何とかしてFを、お客さんがどう感じているのかを数値化していかないといけないのだろうなと思います。