NFCタグは安価で、どんなものにでも気軽に貼り付けられる。そんな利点を実感できる事例が、ここ最近で増えている。キーホルダーやストラップなどに単純タグを搭載している他、販促のために展示会場で配るようなノベルティー・グッズでも利用が始まっているのだ。

図1 SNSへの導線に利用<br>NECビッグローブは、同社のSNS「PetSmile」の利用者を増やすため、タグを内蔵したストラップを開発した。このストラップにNFC対応のスマートフォンをかざせば、タグに内蔵されたURLを読み込んで、ペットのプロフィール・ページを自動的に表示する。
図1 SNSへの導線に利用
NECビッグローブは、同社のSNS「PetSmile」の利用者を増やすため、タグを内蔵したストラップを開発した。このストラップにNFC対応のスマートフォンをかざせば、タグに内蔵されたURLを読み込んで、ペットのプロフィール・ページを自動的に表示する。
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 例えばNECビッグローブは、2012年7月に台湾で開催されたペット業界の展示会「2012 Taipei Pets Show」で、同社が運営するペット飼い主向けSNS「PetSmile」の宣伝ツールとして、単純タグを実装したストラップを配布した(図1)。展示場 内で、同社ブースを訪れた参加者に対して、PetSmile内にある、ユーザーのペットのプロフィール・ページのURLをタグのメモリに展示ブースで記録して参加者に渡した。このタグを他人に読み込んでもらえば、自分のペットを簡単に紹介できる。ペットの首輪などに付ければ、ペットが迷子になったときに見 つかりやすくなる。このように、NFCタグは徐々に身近になっている。それを見越して、NFCタグを小ロットで購入できる店舗も出てきた(下掲の「“白タグ”を売る専門店も登場」参照)。

 このように、個人開発者や小規模な企業がNFCを使い、さまざまなサービスを提供できる環境が整いつつある。NFCの「キラー・アプリ」実現に向けた取り組みが、さまざまなところで活発化しそうだ。