仕組みは以下の通りだ(図1)。まず、あらかじめサーバー上で、単純タグに格納するIDと、HTMLやJavaScriptを持つWebページを紐付け して保管しておく。次にスマートフォンがタグ内のIDを読み込むと、IDに紐付けられたWebページにリダイレクトされる。続いて、Webページに記述さ れたJavaScriptをスマートフォンのクライアント・ソフトが読み込み、表示・実行する。このJavaScriptには、ジャイロ・センサでスマー トフォンの回転を検知するプログラムが含まれている。スマートフォンが90度以上回転したと判断すると、サーバーにその結果を送信する。サーバーは扉の裏 に配置されたサーボ・モータに動作するように指示を送る。そして鍵が開く。

図1 スマートフォンを鍵の代わりに<br>慶応義塾大学が試作したアプリ開発環境「GoldFish」を用いれば、NFC対応スマートフォンを実空間上の操作インタフェースに利用できる。例えば、 扉の鍵のつまみ代わりになる。扉に貼られたNFCタグをスマートフォンで読み込んだ後、スマートフォン上に扉の鍵のつまみのようなグラフィックスが表示さ れる。そのつまみを回すようにスマートフォンを回転させると、扉の鍵が開く。(写真:慶応義塾大学)
図1 スマートフォンを鍵の代わりに
慶応義塾大学が試作したアプリ開発環境「GoldFish」を用いれば、NFC対応スマートフォンを実空間上の操作インタフェースに利用できる。例えば、 扉の鍵のつまみ代わりになる。扉に貼られたNFCタグをスマートフォンで読み込んだ後、スマートフォン上に扉の鍵のつまみのようなグラフィックスが表示さ れる。そのつまみを回すようにスマートフォンを回転させると、扉の鍵が開く。(写真:慶応義塾大学)
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 こうしたGoldFishの仕組みを使えば、実世界GUIを容易に実現できるという。パソコンのマウスのように、実世界でも、さまざまな操作インタ フェースにスマートフォンを活用できるとする(pp.77─80の別掲記事「今が新UI登場前夜、最高にワクワクする」参照)。