次に、航空会社のチェックインやセキュリティー・ゲートの通過といった各場面で、NFCのR/W機にNFC対応スマートフォンをタッチする。すると、ス マートフォンのセキュア・エレメントに書き込まれたマイレージ会員番号が日本航空のサーバーに自動的に送られ、ユーザーの動向を把握できる。

 続くゲート通過後から搭乗までの間でも、NFCを活用できる。搭乗ゲート付近に設置してある案内板に単純タグが仕込まれており、それをタッチすると、 ゲート内の地図や店舗の案内、クーポンの取得などができる。搭乗時刻が近づくと、それを知らせるプッシュ型のサービスも可能だ。

 そして飛行機内でもNFCが活躍する。座席に貼られたNFCタグにスマートフォンをタッチすると機内の無線LANとつながり、機内のサービスメニューを 表示する。このメニューでは、映画や音楽などの視聴、機内での食事内容、キャビン・アテンダントの呼び出し、機内誌の提供など、これまで機内エンタテイン メント端末やパンフレットなどに分かれていたサービスを一括して受けられる。もちろん、機内販売品の購入の決済にも、NFCを用いる。

 最後に、到着した目的地の空港や観光地でもNFCを使う。例えば、NFCのタッチ・ポイントにスマートフォンをかざして、空港内の店舗の割引クーポンや観光案内情報を入手する(p.41の「配るほどお得に、内容が変わるクーポンで差異化を図る」参照)。

 現在は航空チケットの代用にしか活用していないNFCだが、今回例に挙げたような用途拡大を日本航空は検討している。