2012年後半から、NFCのリーダー/ライター(R/W)機能を搭載した機器と安価なNFCタグが急増する。これを見越して、NFCを活用した機器や サービスの開発に本格的に乗り出す企業や大学などが現れ始めた。NFCのキラー・アプリと呼べるものがまだ誕生していないだけに、いち早く主導権を握ろう と力を入れる“先駆者”たちである。

図1 NFCを活用した機器やサービスが続々<br>NFCのR/W機能を搭載したスマートフォンが増えるとともに、NFCを利用した機器やサービスが次々と誕生している。(写真:各社)
図1 NFCを活用した機器やサービスが続々
NFCのR/W機能を搭載したスマートフォンが増えるとともに、NFCを利用した機器やサービスが次々と誕生している。(写真:各社)
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 ここで鍵を握るのが、NFCタグの使いこなしだ。NFCタグには、メモリにURLやメール・アドレスなどの情報を書き込んだ「単純タグ」と、メモリ内の 情報を動的に書き換えられる「アクティブ・タグ」がある。単純タグの利用によって、ユーザーの状況把握やネットワーク・サービスへの誘導、新しいUIの実 現が可能だ(図1)。アクティブ・タグの場合は、これに加えてさまざまな機器をスマートフォンやクラウド・サービスと連携させられる。以下ではこうした NFCタグ利用の先行事例を紹介する。