セキュアにして用途拡大

 アクティブ・タグが適用可能な機器は白物家電やヘルスケア機器にとどまらない。乱数発生器や暗号化回路といったセキュリティー・チップをアクティブ・タグと併用することで、セキュリティーやコストの問題から導入が進まなかった機器へ展開できる。電子施錠システムやガス・メーターの読み取り、産業機器などである。具体的には、あらかじめサービス事業者が機器のセキュリティー・チップに暗号鍵を格納しておき、この暗号鍵で暗号化された制御コマンドを受け取らない限り、動作しないような仕組みを採用する。

 この仕組みによって、例えば、スマートフォンを自動車のドア開閉システムの鍵代わりに利用できる(図2)。ドア開閉システムにアクティブ・タグを取り付け、同タグに暗号化した開閉命令コマンドを送るのだ。既にカー・シェアリングではFeliCaのR/Wを自動車に設置して同様のシステムを実現しているが、アクティブ・タグであれば導入コストを大幅に下げられる。

図2 高度な安全性を求める用途にもアクティブ・タグが浸透<br>暗号処理回路を持つことで、高度な安全性が必要な用途にも、アクティブ・タグを使えるようになる。例えば、スマートフォンとアクティブ・タグで同じ暗号鍵を持ち、アクティブ・タグ側から乱数を送り、スマートフォン側でこれを暗号化して送り返す。サーバー側でこれを復号できれば、スマートフォンが正しい相手だと判断できる(a)。スマートフォンがインターネットにつながっていれば、サーバーとアクティブ・タグ間での認証が可能である(b)。
図2 高度な安全性を求める用途にもアクティブ・タグが浸透
暗号処理回路を持つことで、高度な安全性が必要な用途にも、アクティブ・タグを使えるようになる。例えば、スマートフォンとアクティブ・タグで同じ暗号鍵を持ち、アクティブ・タグ側から乱数を送り、スマートフォン側でこれを暗号化して送り返す。サーバー側でこれを復号できれば、スマートフォンが正しい相手だと判断できる(a)。スマートフォンがインターネットにつながっていれば、サーバーとアクティブ・タグ間での認証が可能である(b)。
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 ガス・メーターに関しては、利用者の自己申請による検針が可能になる。ガス・メーター側に格納された鍵を使って暗号化した検針データをサーバーに送ることで、データが正しいメーターから送られてきたものかどうかをセンター側で確かめられる。