図2 NFCタグの利用が始まる<br>単純タグを貼り付けた「スマート・ポスター」では、所定の場所にNFCのR/W機能を搭載したスマートフォンをかざすとクーポンを取得できる(a)。イベントで用いる参加者用リストバンドでも、NFCタグの利用が始まった(b)。(写真:(b)はブリリアントサービス)
図2 NFCタグの利用が始まる
単純タグを貼り付けた「スマート・ポスター」では、所定の場所にNFCのR/W機能を搭載したスマートフォンをかざすとクーポンを取得できる(a)。イベントで用いる参加者用リストバンドでも、NFCタグの利用が始まった(b)。(写真:(b)はブリリアントサービス)
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 例えば、ヤフーとトッパン・フォームズ、東京急行電鉄(東急電鉄)は共同で、スマート・ポスターを活用したサービスの実証実験を、2012年3月から約1カ月間実施した(図2)。東急東横線の渋谷駅と自由が丘駅に、各駅の周辺にある店舗の情報などが記載されたスマート・ポスターを設置。ここにNFCのR/W機能を搭載したスマートフォンをかざすと、同ポスター内で紹介されている店舗のクーポンがスマートフォンに表示される1)。加えて、その店舗までの経路を道案内する。NFCの利用によって、QRコードを使う場合よりもクーポン取得に必要な時間を短縮し、ユーザーの利用促進を図っている。

参考文献
1) 狩集ほか,「鉄道で突き抜けろ」,『日経エレクトロニクス』,no.1082,2012年5月14日号,pp.23─54.

 人とデジタル空間を結び付ける例もある。例えば、神奈川県横浜市の関内周辺で開催されているイベント「濱コン」では、リストバンド型のNFCタグを参加者に渡し、店舗への入退店の管理を行う。店頭に待機するスタッフが持つスマートフォンにリストバンドをかざすことで、入退店の情報をサーバーに送信して蓄積する。これで、参加者の動向や店舗の混雑状況などを把握できる。店舗の混雑状況は、Webページを通じて参加者に伝達可能。店舗側にとっては、取得したデータを基に、今後のマーケティング活動に利用できる。