スマートフォンと対をなし、新しいサービスを生み出す大きな要素の一つがNFCタグである。NFCタグは2種類に大別できる(図1)。一つは、R/WからメモリにURLやメール・アドレスなどの情報を書き込んだり、R/Wから同情報を読み込んだりできる「単純タグ」。もう一つが、タグを搭載した機器のマイコンなどから、タグのメモリ内の情報を動的に書き換えられる「アクティブ・タグ」である。

図1 NFCタグが家電の機能拡張を促す<br>NFCのR/W機能を搭載した機器が増えることで、安価なNFCタグを多様なサービスや機器に利用しやすくなる。NFCタグには単純タグとアクティブ・タグがあり、これらを活用することで、NFCの用途拡大や家電の機能拡張につながる。
図1 NFCタグが家電の機能拡張を促す
NFCのR/W機能を搭載した機器が増えることで、安価なNFCタグを多様なサービスや機器に利用しやすくなる。NFCタグには単純タグとアクティブ・タグがあり、これらを活用することで、NFCの用途拡大や家電の機能拡張につながる。
[画像のクリックで拡大表示]

 このうち単純タグは、そのタグを貼ってある場所やモノと、デジタル空間を結び付けるのに使える。タグにタッチするだけで、そこにヒモ付いたアプリを起動させたり、Webページを開いたりできるからだ。実は、QRコードや画像認識技術でも同様のことはできる。しかし、いずれも利用するたびに専用のアプリを立ち上げる必要があり、手間と時間が掛かって自然な感じで場所やモノとデジタル空間を結び付けられない。

 単純タグを使う代表的な例が、「スマート・ポスター」である。ポスターにNFCタグを貼っておき、スマートフォンでそこにタッチすることで、ポスターの内容やそれが貼ってある場所を、インターネットのサービスとリンクさせられる。