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HOMEスキルアップマネジメント転機――技術者という生き方 > 4人の研究者に見る転機が生み出す技術革新

転機――技術者という生き方

4人の研究者に見る転機が生み出す技術革新

  • 高橋 史忠、佐伯 真也=日経エレクトロニクス
  • 2012/11/20 00:00
  • 1/2ページ

エレクトロニクス産業のさまざまな環境変化にどう対応すべきか。技術者に求められるのは、自ら道を切り開いていく強い意志だ。突然訪れた転機に、技術者はどう動いたのか。=文中敬称略

50歳代半ばでの起業

 爆発研究における国内の第一人者である。産業技術総合研究所の研究者だった吉田正典(59)は、国内で大きな爆発事故が起きれば、必ずといっていいほど原因を究明し、対策を考える国の調査委員として名を連ねた。

 転機は2006年7月。50歳代半ばで産総研を辞め、翌月に爆発研究所を創業した。起業のキッカケは約30年前に遡る。東京大学の博士課程を終え、産総 研の前身である通商産業省 工業技術院 化学技術研究所に入所した年のことだ。研究所の官僚体質が性に合わなかった。入ってすぐに、「いつか辞めよう」と思ったという。ただ、腕一本で独立するた めに、技術者としての“売り物”を確立したい。そう考えた。

産総研での仕事にはやりがいがあった。その時代に積み上げた経験の蓄積と退職金を元手に、裸一貫で起業した。「米国のITベンチャーの起業家は、若いう ちに自分のアイデアを生かす道を見つけた人が多い。逆に、長い間努力して自分の長所を伸ばしてから起業するという道もある」と語る。

並列分散処理の専門家でもある。爆発のシミュレーションには数値計算が欠かせない。爆発研究所の事業は、爆発関連のコンサルティングや並列計算ソフトウエアの開発である。今後、3次元グラフィックスによる自然現象の映像化という技術革新に挑む計画だ。

彫刻家からIT研究者へ

 多摩美術大学卒。ITベンチャーのAGIを創業した光吉俊二(46)は、彫刻家からIT関連の研究者に転じた変り種だ。

 彫刻家としては東京・桜田門にある法務省の窓飾りの復元などを手掛け、研究者としては人間の音声から「喜怒哀楽」の感情を認識する技術を開発した。スマートフォン向けのソフトウエアや携帯型ゲーム機向けのゲーム・ソフトなどで採用された実績を持つ。

 研究者を志す転機は、30歳に近づいた1990年代半ばのこと。インターネットとの出合いが光吉の人生を変えた。自分の作品を公開するWebサイトを作ろうと思い立ち、初めて買ったパソコンをいじっている内にコンピュータの世界に魅入られた。

 「なぜ、人間の感情をコンピュータは理解できないのか」。この素朴な疑問で火が付き、大学の専門家の門をたたいて教えを請う。音声関連や医学、生理学の 論文を読みあさり、音声の基本周波数の特性と感情の動きの関係を調べ上げた。「ないものは作ればいい」。それが光吉の身上だ。「芸術家としてのリビドーか もしれない。100年かけても開発してやると思った」と笑う。

 今、挑戦しているのは、感情認識技術をメンタルケアなどの医療系のシステムとして応用することだ。fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)などを使った実験で感情認識の精度を高めている。「人の笑顔が利益になる会社にしたい」。研究者に転身した芸術家は、経営者としての夢を語った。

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