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高橋 史忠=日経エレクトロニクス
2013/01/11 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2001年3月26日号 、pp.179-181 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 「弁護を依頼していただいて本当に感謝しています。国内ではダントツの大規模特許訴訟。弁護士冥利に尽きるというものです。とてもやりがいのある9年間でした」

 キルビー特許訴訟で富士通側の弁護団に加わった水谷直樹弁護士は,米Texas Instruments Inc.(TI社)との闘いをこう振り返る。

 「富士通は,経営トップをはじめ,会社全体で『スジを通せ』とバックアップしてくれた。それにこたえるべく,全力で頑張ろう。そう思える訴訟でした」

 1991年7月19日。この日を境に法廷で相まみえることになった富士通とTI社。キルビー275特許の評価で折り合いのつかなかった両社は,司法という第三者に判断をゆだねた。つまり,それまでのライセンス交渉の席とは,駆け引きも,雰囲気も,すべての面で大きく異なる場所へと,闘いの舞台が移っていったのだ。

 この新しい舞台で,富士通とTI社は9年間にわたって技術論をぶつけ合う。「抵触せず」を信じて疑わない富士通にとっては「社運を賭けた闘い」であり,世界初の半導体集積回路(IC)を生んだTI社にとっては世界史を変える発明を成し遂げたのだという「自尊心を賭けた闘い」だった(表1)。

表1 キルビー特許訴訟の1 審判決まで(表:日経エレクトロニクス)
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