Qこれまでの開発動向は?

 補助人工心臓の歴史をたどると、世界初の臨床応用例は1968年の米国に行き着きます。当時は体外設置型であり、患者は利用している間、入院することが必須でした。その後、体内に埋め込める血液ポンプの開発が進み、1980年代には拍動型の血液ポンプが登場しました。実際の心臓と同様に、「ドクッドクッ」という拍動によって血液を送り出すポンプです。しかし、寸法が大きく患者の体格に制約がある上、壊れやすいといった課題がありました。そこで、次世代型として開発が進んだのが、羽根車の回転によって血液を送り出す連続流型のポンプです。サンメディカル技術研究所とテルモの補助人工心臓は、いずれも連続流型を採用しますが、羽根車を回転させる方式などが大きく異なります。