Q補助人工心臓とは?
補助人工心臓の役割
各臓器に血液を送り出す左心室のポンプ機能の働きを補助する。(図:サンメディカル技術研究所の資料を基に本誌が作成)

 本記事で紹介する埋め込み型の補助人工心臓は、心筋梗塞や心筋症などによって心臓(左心室)のポンプ機能が弱くなった、重症心不全の患者に向けて用いる機器です。具体的には、薬物治療によって血液の循環を維持することが困難で、心臓移植以外では救命できない症例の患者に適用するものです。患者の自己心(患者本来の心臓)を残したまま埋め込み、心臓移植を待つまでの間、左心室の働きを補助する機能があるので「左心補助心臓」とも呼ばれます。国内の薬事法の分類では、人体に対するリスクが最も高い「高度管理医療機器」に当たります。厚生労働省による「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」の対象テーマに選ばれ、早期の実用化が期待されていました。