7機種の介護ロボットを導入

 介護ロボット普及モデル事業は2010年度に始め、2011年度は2回目の実施となる。2011年度に実施した事業の取り組みは、大きく次の三つ(図2)。

  • 1. ロボットの試験導入と評価
  • 2. ロボット導入のガイドライン作成
  • 3. 人材育成に向けた教育・研修
図2 2011年度の主な取り組み
図2 2011年度の主な取り組み
2011年度の介護ロボット普及モデル事業の主な取り組みを示した。大きく三つの取り組みを進めた。(図:かながわ福祉サービス振興会の資料を基に本誌が作成)

 このうち1のロボットの試験導入と評価は、神奈川県内の介護施設などに複数の介護ロボットを1~5カ月間、試験的に無償で貸与するというもの。実際の利 用を通して、介護する側と介護される側におけるロボットの有効性などを評価する狙いである。これは、2010年度の事業でも実施した内容である。

 2011年度の事業においては、神奈川県内の17カ所の介護施設に、計7機種の介護ロボットを試験導入した。試験導入したロボットは、以下の通りである(表1)。

表1 2011年度の事業で導入したロボット
(表:かながわ福祉サービス振興会の資料を基に本誌が作成)
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  • ●自立・身体動作支援・歩行支援「HAL」(CYBERDYNE)
  • ●認知症予防・ロボットセラピー「パロ」(産業技術総合研究所)
  • ●眠り状態の把握「眠りSCAN」(パラマウントベッド)
  • ●排泄介助「ヒューマニー」(ユニ・チャーム ヒューマンケア)
  • ●握力補強「パワーアシストハンド」(LLP アトムプロジェクト)
  • ●床ずれ予防「リラウェーブ」(マツダマイクロニクス)
  • ●移乗支援「つるべー」(モリトー)

 一方、2のロボット導入のガイドライン作成と、3の人材育成に向けた教育・研修については、2011年度の事業において、新たに始めた取り組みである。なぜ、これらの取り組みを追加したのかについては、以下で説明していく。