2020年までに45兆円市場に

 ライフイノベーションの具体的な方針は、新成長戦略で打ち出されている。2020年までに45兆円の市場を生み出し、280万人の雇用を創出することを目指す(図2)。

 図2 ライフイノベーションによる健康大国戦略
図2 ライフイノベーションによる健康大国戦略
2010年6月の新成長戦略で打ち出された、ライフイノベーションによる健康大国戦略の基本方針の要点を示した。(図:内閣官房の資料を基に本誌が作成)

 基本方針として、日本の成長を牽引する産業として明確に位置付けると宣言している。これまで医療・健康・介護は、ビジネスという視点で捉える向きが少な かったのは否めないが、今後は産業として育てていく方針である。特に、民間事業者の新たな参入を促進することで、多様なサービスを提供できる体制を構築し ていく。

 技術という視点では、革新的な医薬品や医療技術、介護ロボットなどの研究開発を推進し、ベンチャーを育てるといったことも重要になる。さらに、アジアと の連携を促進する。例えば、医薬品などの海外販売に加え、アジアからの健診や治療の受け入れを、観光と一体化して進めていく方針である。