メイン・コントローラには電子部品が搭載されているが,サブ・コントローラには重りしかない。メイン・コントローラの主な部品は各種ボタン部品やマイク,制御用マイコン,得られたデータをセンサ装置に無線で送信するRFモジュールなどと,シンプルな構成を取る。
メイン・コントローラには電子部品が搭載されているが,サブ・コントローラには重りしかない。メイン・コントローラの主な部品は各種ボタン部品やマイク,制御用マイコン,得られたデータをセンサ装置に無線で送信するRFモジュールなどと,シンプルな構成を取る。
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 今回のような光学方式を採用したのは,低コスト化と処理負担の軽減のためとみられる。モーション・センサが不要な分,コントローラの構成をシンプルにできるだけでなく,設計作業の負担も軽減できる。「検知する動きや範囲に制限が設けられるが,チューニングする要素が減るため設計は楽になる。演算処理も減るのではないか」と,分解した技術者は推察する。

 i-dongはパソコンやSTBなど不特定多数のホスト機器と接続する。演算処理の負荷を低減することで,なるべく多くの機器で利用できるようにする狙いがありそうだ。
 
 メイン・コントローラ内部には,各種ボタン部品やマイク,センサ装置と通信するRFモジュールのほか,これらの制御を担うマイコンが搭載された基板があるだけだ(図5)。一方,サブ・コントローラに至っては,電子部品は一切なく,重りしか搭載していない。重さをメイン・コントローラとほぼ同じくし,バランスを取るためのようだ。こうしたコントローラの構成を見たある技術者は,「メイン・コントローラは300円ほど,サブ・コントローラは数十円ほど」と,コストを見積もる。

赤外光源の設計に注力


 コントローラは極めて簡素な構成を取るが,センサ装置の方は,「意外にしっかりと設計されている」(分解した技術者)との評価だ。特に注力したとみられるのが,光源部分である。

 赤外LED上にやや特殊な形状をしたレンズ部品が載せられている。LEDからの光を集光後,効率良く拡散させるのが目的のようだ。なるべく多くの赤外光をコントローラ先端部に到達させ,反射させるためとみられる。これにより,動き検出の精度向上や範囲拡大につながる。一方,その他の部品は汎用品を多用している。そのため,センサ装置の原価は3000円ほどと推察される。