日産はトヨタやホンダと異なり、地域の電力情報の管理やHEMSを自ら手掛けない(図20)。「EVの本来の価値を高められる領域に力を入れる」(日産執行役員ゼロエミッション事業本部担当の渡部英朗氏)方針だ。EVから住宅への電力供給機能を他社に先駆けて実用化することや、車載電池の2次利用ビジネスの実現に力を注ぐ。


図20 日産の構想

図20 日産の構想
車両に直接かかわる領域に注力する考え。HEMSは手掛けない方針である。

 日産は2011年8月、EV「リーフ」から住宅に電力を供給するシステムを開発し、2011年度内の販売を目指すことを発表した(図21)。リーフの急速充電口と日産が試作した電力制御装置をケーブルでつなぎ、同制御装置から住宅の配電盤に最大6kWの電力を送る。

図21 EVの充放電が可能な電力変換装置

図21 EVの充放電が可能な電力変換装置
(a)は放電機能の仕組み。(b)は充放電の有無を手動で設定できる住宅内に設置した液晶パネル。資料と写真は日産の提供。

電池の2次利用に動く