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【連載第8回】脳計測センサが家電領域へ,新たな製品企画を生み出す(その4)

蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス
2012/10/25 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2010年5月3日号 、pp.28-31 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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民生機器への応用が期待される脳計測データ。その一方で,こうした盛り上がりを危惧する声も出始めている。脳の機能に関しては未解明の部分も多く,その計測データの活用には慎重さが求められるという指摘である。
 
 例えば現在,デジタル家電への応用に関しては,脳波で自在に機器を遠隔操作するといったことまでは実現できていない。ところが,脳機能にまつわる最近のさまざまな情報などを受けて「今すぐにでも,ユーザーの思いのままに機器を制御できるようになるのではと,勘違いされる恐れがある」(ある脳科学分野の研究者)という懸念だ。また,あたかも脳機能が十分に解明されているとの誤解も与えかねないと,心配する声もある(下掲の「『社会の受け取り方を考慮して』,学会が声明」参照)。

 脳計測データを活用して新たな製品やサービスを開発するに当たっては,こうした誤解を避けるように細心の注意を払う必要がある。「できること/できないこと」を明示したり,製品の特性情報を公開して市場の啓蒙活動も同時に進めたりといった取り組みが重要になりそうだ。

「社会の受け取り方を考慮して」,学会が声明
昨今,テレビなどのメディアを通じて,脳科学分野の研究者などが「脳の機能」について解説する場面が多くなっており,視聴者の関心も高い。ただし,中には科学的には認められない俗説や,脳科学の信頼性に疑念を生じさせるような内容を含む場合があるとして,懸念を表明する研究者が増えている。「疑似・脳科学」という言葉も使われ始めている。

 例えば日本神経科学学会は,「脳の働きについて,一般社会に不正確あるいは拡大解釈的な情報が広がっている」と警鐘を鳴らす声明を,2010年1月に発表している。「『ヒト脳機能の非侵襲的研究』の倫理問題等に関する指針の改訂にあたっての声明」である。社会がどのように受け取るかを考慮した上で,研究結果を発表することが重要としている。

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