音声認識やジェスチャー入力など、人間の自然な振る舞いで機器に入力する「NUI(Natural User Interface)」技術が実用段階を迎えている。こうしたユーザーの負担が少ない技術をどう機器に取り込むかが、メーカーにとって重要課題になっている。本連載では、日経エレクトロニクスにこれまで掲載された記事を中心に、その技術開発の流れを紹介する。
離陸するNUI技術
目次
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【連載15回】ジェスチャー入力に飛び付く中国企業、参照デザインの登場が後押し(その4:分解編)
今回のような光学方式を採用したのは,低コスト化と処理負担の軽減のためとみられる。モーション・センサが不要な分,コントローラの構成をシンプルにできるだけでなく,設計作業の負担も軽減できる。「検知する動きや範囲に制限が設けられるが,チューニングする要素が減るため設計は楽になる。演算処理も減るのではないか…
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【連載14回】ジェスチャー入力に飛び付く中国企業、参照デザインの登場が後押し(その3:分解編)
現時点では,中国企業が見せたジェスチャー入力技術の多くは,中国以外の企業が手掛けたものである。中国企業が開発した例としては,Taishan Online Technology社の「i-dong」がある。冒頭で紹介したSHENZHEN MEDIA GROUPの実演には,このi-dongが用いられてい…
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【連載13回】ジェスチャー入力に飛び付く中国企業、参照デザインの登場が後押し(その2)
中国企業がジェスチャー入力技術に基づく製品を披露している理由のうちの第3番目が,ジェスチャー入力コントローラの参照デザインや開発キットを提供する企業が増えたことである(図)。これにより,基礎技術を持たない中国企業でも電子機器にジェスチャー入力技術を導入しやすくなった。
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【連載12回】ジェスチャー入力に飛び付く中国企業、参照デザインの登場が後押し(その1)
手や体の動きで機器を操作するジェスチャー入力技術に,中国企業が強い関心を寄せている。最新製品や研究開発成果などを紹介する展示会で,ジェスチャー入力技術を利用した動作実演を中国企業が相次いで披露しているのだ(図)。
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【連載11回】巨大データベースで意図を理解して、認識精度を高める
「キーワード検索から対話型UIへのパラダイム・シフトが起きている。一般の人が誰でも検索エンジンを使うわけではない」。こう指摘するのは、NTTドコモのサービス&ソリューション開発部長(当時)を務める栄藤稔氏だ。同社は2012年3月、音声入力UIを用いた対話型エージェント・サービス「しゃべってコンシェル…
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【連載10回】不易流行の発想でUI開発を
UI開発で重要なのは、「デジタル機器を普通の人にとって使いやすくするには、どうすればいいか」という視点からスタートすることだ。その後に「それを実現するには、どの技術を使ったらいいか」という選択が来る。言い換えれば、テレビの新しいUIを開発する際に、テレビの従来機能の延長線上で考えてもダメだということ…
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【連載第9回】Kinectをロボットのセンサに、Microsoftが対応環境を投入
米Microsoft社は、累計で1000万台以上の出荷を記録して大ヒットとなったジェスチャー入力コントローラ「Kinect」を、今度はロボット分野に振り向ける。2011年7月、同社のロボット向けソフトウエア開発環境および実行環境である「Robotics Developer Studio (RDS)…
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【連載第8回】脳計測センサが家電領域へ,新たな製品企画を生み出す(その4)
民生機器への応用が期待される脳計測データ。その一方で,こうした盛り上がりを危惧する声も出始めている。脳の機能に関しては未解明の部分も多く,その計測データの活用には慎重さが求められるという指摘である。
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【連載第7回】脳計測センサが家電領域へ,新たな製品企画を生み出す(その3)
脳計測分野の技術進化や計測装置の小型化によって,脳計測データをさまざまな民生機器で活用することが,現実味を帯びてきた(図1)。既に市場投入が始まった玩具/ゲームやマーケティング,ヘルスケアだけではなく,デジタル家電や自動車などへの適用に向けた取り組みも進んでいる。
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【連載第6回】脳計測センサが家電領域へ,新たな製品企画を生み出す(その2)
脳計測のデータを活用し,ユーザーの意図を読み取って機器を遠隔制御する─。こういった試みは,以前からあった。それが,ここへきて急速に応用開拓が進みつつあるのは,三つの理由からだ。
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【連載第5回】脳計測センサが家電領域へ,新たな製品企画を生み出す(その1)
「自分の脳波の様子を見られるだけでも,結構面白いと思った。ノート・パソコンのアプリケーションとして,何かできそうな気がした」(東芝 デジタルプロダクツ&ネットワーク社 デジタルライフ事業推進室 室長の徳田均氏)。
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【連載第4回】PS3用コントローラ「Move」を分解、センサ部や発光部に工夫(後編)
検出精度の高さを誇るPS Moveの設計上の工夫を,「PS Move モーションコントローラ」を分解することで探ってみた(図1)。
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【連載第3回】PS3用コントローラ「Move」を分解、センサ部や発光部に工夫(前編)
「これまでのジェスチャー入力を超えた,高精度の操作を実現できる」(ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)WorldwideStudios プレジデントの吉田修平氏)─。 SCEのプレイステーション 3(PS3)向けジェスチャー入力システム「PlayStation(PS) Move」の開発…
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【連載第2回】キーワード:「Kinect」
米Microsoft社がゲーム機「Xbox 360」向けに、2010年11月に発売したジェスチャー入力コントローラのこと。イスラエルPrimeSense社が開発した距離画像センサを搭載して おり、ユーザーの姿勢や顔の表情、指の動きなどを3次元的に計測・認識することができる。既に1000万台以上の出荷…
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【連載第1回】じわりと広がるジェスチャー入力操作
体の動きを検知して操作する,いわゆるジェスチャー入力操作が,ゲーム機を起点に,さまざまな電子機器へと広がりそうだ。ゲーム機では,任天堂の「Wii」のヒットで,一気に注目が集まった。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)や米Microsoft Corp.も,ジェスチャー・コントローラの採用…