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ルビコン渡る農耕民族(後)

高橋 史忠=日経エレクトロニクス
2013/01/04 00:00
出典:日経エレクトロニクス、2001年3月12日号 、pp.200-201 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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巨人IBM社との闘い

 富士通経営陣がある程度の自信をもって提訴に踏み切ることができた背景には,米国大手メーカとの血みどろの訴訟を乗り切った経験があった。1980年代に闘い抜いた米IBM Corp.とのソフトウエア著作権紛争,いわゆる「IBM事件」が,訴訟に対する富士通の敷居を下げていたのだ。

 IBM事件は,富士通が開発販売していたメインフレームのIBM互換機に関する紛争である。IBM互換機で利用している富士通製のOSが,IBM社のソフトウエア著作権を侵害しているというのが事件の発端となった。当時のIBM社は,コンピュータ業界をほぼ独占する巨人「ビッグブルー」だった。ライセンスなしのIBM互換機戦略を良しとしないIBM社は,富士通が独自開発した互換OSはIBM社の技術を使わずして実現できないはずと主張した。

 富士通は,巨人が仕掛けてきたこの闘いに社運をかけて挑んだ。紛争開始当初は,形勢不利が伝えられ,一時は身売りのウワサが飛び出るほど富士通は追い込まれたともいわれる。

 結局,1988年11月に米国仲裁協会(AAA)の裁定が下り,富士通はIBM社に和解金を支払い,IBM社はOS情報を富士通に有償で開示することで痛み分けの決着となった。結局,著作権問題に関しては灰色のまま,IBM社が難色を示していた互換機ビジネスは公の場で認められることになったのである。

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