本連載第32~33回では、多くの製品開発現場が抱えるデザインレビュー(DR)の問題点に触れた。そこには
▶DRの形骸化
▶DRの通過基準が不明確
という2つの共通点があることを指摘し、解決のためのポイントを説明した。さらに「不具合未然防止」につなげるには、DR(プロセス)の改善だけではなく、製品(プロダクト)の機能について本質的な理解を深め、品質を向上させることが必要であると述べた。

 今回からは、不具合未然防止を実現するために必要な、活動のポイントを解説していく。

弱みは機能と共に入り込む

 プロダクトの視点からの取り組みの必要性を実感するのは、「実態」が伴わないままで、DR確認事項の前倒しをしたときであろう。DRでは、図1にまとめたような多岐にわたる項目をチェックしていくことになるのだが、それぞれチェックを実施すべき時期が異なる。以前はDR2やDR3にピークがあったが、開発リードタイムの短縮を実現するために、DR0ないしDR1に確認時期を前倒しする項目が増えてきている(特に、図1の表のグレーの部分)。

図1●DRの開催タイミングとチェック項目
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