まずはDRの改善を

 DRが形骸化している--。DRの通過基準が不明確である--。これら2つの問題()に心当たりがある企業は、まずDRそのものを改善すべきだ。内在する問題や抜け漏れをチェックできるようになるためには、何を議論し、何を決定しておかねばならないかを明確にし、議論を尽くすための工夫をしなければならない。

図●DRの2つの問題点
DRの問題点としては大きく、「DRの形骸化」と「不明確な通過基準」がある。

 DRを改善するポイントは、以下の4つである。
①主催者と報告者を分け、厳格に運営する
②確認内容と通過基準を明確化する
③指摘事項に対する定量的な重要度評価を行うようにする
④節目となるDRの合間に、複数回のミニDRを回す

 ①の具体策としては、品質保証部門やPMO(Project Management Office)*1が常任の主催者となって、独立性を保つようにするとよい。繰り返しDRを実施する間に運営上の問題点も改善されていくといった効果もある。

*1 PMO(Project Management Office) 全社的なプロジェクト・マネジメント手法の標準化や品質管理、人材育成などに責任を持つ常設的な部署。

 設計者がDRを主催しているDR会議を見掛けることがあるが、これではいわゆる「マッチポンプ」になり、十分なDRを行うことができない。単なる報告の場にしないためには、DRの報告者と主催者を分けることが不可欠だ。