モジュール間の関係を調整

 形状設計の標準化・モジュール化は、効率的に製品シリーズを構築するために、機能や性能のバリエーションを定義するのが主な狙いだ。例えば、搬送モジュールと作業モジュールで構成される、ある生産設備を考えてみよう。この生産設備には、A、B、Cという3つの仕様がある。

 作業モジュールは3つの仕様のうちAとBの影響を受け、主要な諸元としてd、e、fを持っている。一方の搬送モジュールはBとCの仕様の影響を受け、主要な諸元としてe、f、gを持っている(の左上)。

図●モジュール間のインタフェース
作業モジュールと搬送モジュールを組み付けるには、諸元eと諸元fが同じ値でなければならない。仕様の値から各諸元の値を決める計算式を変更することで、これを実現できる。
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 それぞれの諸元には設計ロジックとして計算式が定義されており、作業モジュールの諸元dは仕様Aの2倍の値であることを示している。両モジュールともe、fの諸元を持っており、これら共通の諸元が2つのモジュールのインタフェースになり、これらは同じ値にならないと組み付けられない。

 ここで、顧客が仕様A、B、Cに対して、それぞれ2、6、3の値を指定したとしよう。計算結果がの右上に示されているが、e、fの諸元の値が異なるため組み付けられない。もちろん、仕様に異なる値を指定したとしても結果は同じである。

 2つのモジュールを組み付けられるように標準化する場合、それらの間のインタフェースに関与する諸元はそれぞれ、単一の同じ仕様に基づくようにする必要がある。従って、例えばe、fの諸元が仕様Bで決まるように計算式を変え、必ず同じ値になるようにする(の左下)。すると、これらのモジュールはどのような仕様が提示されても、支障なく組み付けることが可能になる*1

*1 実際には、モジュールのバリエーションを幾つ想定するのかを事前に決め、インタフェースのバリエーションをそれ以下に設定するのが望ましい。